着圧ソックスの効果や選び方は?医療用との違い、寝るとき・飛行機での注意点などを解説します。

着圧ソックスの効果や選び方は?医療用との違い、寝るとき・飛行機での注意点などを解説します。

着圧ソックスは、脚を外側から圧迫することで、むくみや重だるさの軽減に役立つことがあります。ただし、一般的な着圧ソックスと医療用弾性ストッキングは同じものではなく、「圧が強いほど効果も高い」と単純に考えることはできません。

この記事では、着圧ソックスに期待できる効果の範囲を整理したうえで、医療用との違い、圧迫圧やサイズの選び方、寝るときや飛行機で使う場合の注意点を解説します。

公開日:2026年8月22日

着圧ソックスにはどんな効果が期待できる?

着圧ソックスについて調べると、「むくみに効く」「脚が楽になる」といった説明を目にします。ただし、着圧による効果は、使う人の状態や目的、圧迫の条件などによって変わります。

大切なのは、研究で確認されている効果と、一般的な商品広告で使われる表現を分けて考えることです。

 

着圧による作用の基本

医療用の弾性ストッキングは、脚を外側から圧迫し、末梢側から中枢側へ段階的に圧を変えることで、静脈血やリンパ液のうっ滞を軽減・予防し、静脈還流を促す目的で使用されます。日本では「弾性ストッキング」が一般医療機器(クラスⅠ)、JMDNコード31724000として定義されています。

一方、店頭やECサイトで「着圧ソックス」として販売されている商品のすべてが、この医療機器としての弾性ストッキングに該当するわけではありません。製品の目的や位置づけを確認するときは、「着圧」という言葉だけで判断せず、製品表示まで確認することが重要です。

 

効果が確認されている場面とエビデンスの限界

圧迫療法については、症候性の慢性静脈疾患などを対象とするESVS( 欧州血管外科学会)のガイドラインで弾性ストッキングが推奨されているほか、長時間の立ち仕事を対象としたランダム化比較試験*¹では職業性浮腫*²の軽減が報告されています。

ただし、こうした結果をもとに「健康な人が、どの着圧ソックスを履いても同じ効果を得られる」とまではいえません。研究ごとに対象者や症状、製品、使用条件が異なるためです。

*¹対象者を2つ以上のグループに無作為に振り分け、新しい治療法や薬などの効果を公平に比較・検証する試験方法
*²長時間の立ち仕事や座りっぱなしなど、仕事中の姿勢が原因で下肢に水分が溜まりむくみが生じる状態

 

むくみや重だるさへの効果は対象と使用条件で変わる

着圧ソックスは、条件によって脚のむくみや重だるさの軽減に役立つことがあります。ただし、効果の程度や適した使い方は一律ではありません。

たとえば、静脈疾患のある人を対象とした圧迫療法と、健康な人が仕事中や日常生活で市販の着圧ソックスを使う場合では前提が異なります。

「着圧だから効果がある」と考えるのではなく、まず自分が何を目的として使いたいのかを整理し、その目的に合った製品かどうかを確認しましょう。

 

市販の着圧ソックスと医療用弾性ストッキングの違い

「医療用」と書かれていると、一般的な着圧ソックスよりも強く、効果も高い製品をイメージするかもしれません。しかし、選ぶときに重要なのは名称から受ける印象ではなく、どのような目的の製品で、どのような表示や使用条件が定められているかです。

 

医療用弾性ストッキングの定義

日本で医療機器として扱われる「弾性ストッキング」には、法律上の一般的名称と使用目的があります。「四肢の静脈血やリンパ液のうっ滞を軽減・予防し、静脈還流を促す目的などで使用されるもの」として定義されています。

医療用弾性ストッキングと一般的な着圧商品は、見た目が似ていても製品の位置づけや想定用途が同じとは限りません。

一般的な着圧ソックス 医療用弾性ストッキング
位置づけ 着圧の名称だけでは医療機器か判断できない 法律上の一般的名称「弾性ストッキング」に該当する製品がある
確認するもの 製品表示、用途、サイズ、使用時間 医療機器表示、一般的名称、添付文書・使用方法、医師の指示
選択時の注意 圧の強さや口コミだけで決めない 医療目的では自己判断で圧迫条件を変更しない

 

「医療用」を選ぶときに確認したい表示

医療目的で使用する場合は、「医療用」という販売上の表現だけを見て選ばず、一般的名称や医療機器としての表示、添付文書、使用方法などを確認します。

すでに医師から弾性ストッキングの使用を指示されている場合は、市販品へ自己判断で置き換えるのではなく、指示された圧迫条件やサイズ、装着方法を優先してください。

 

自分に合う着圧ソックスの選び方

着圧ソックスを選ぶときは、いきなり「おすすめ1位の商品」から探すのではなく、まず何のために使うのかを決めることが大切です。

日中の立ち仕事で使うのか、医療目的なのか、寝るときに使いたいのか、飛行機などの長距離移動で使いたいのかによって、確認すべき条件は変わります。

 

まず使用目的からタイプを絞る

最初に、「いつ、何のために履きたいのか」を整理しましょう。

使用目的 最初に確認すること 避けたい選び方
日中・立ち仕事 サイズ、用途、着用時間、製品説明 「一番強い」だけで選ぶ
医療目的 医療機器表示、添付文書、医師の指示 一般商品へ自己判断で置き換える
寝るとき 就寝時使用を想定した製品か 日中用をそのまま夜通し使う
飛行機 むくみ対策と静脈血栓塞栓症(VTE)予防のどちらが目的か、個人のVTEリスク 着圧だけで血栓を予防できると考える

 

具体的には、次の順で確認すると整理しやすくなります。

  • 使用する場面と時間帯を決める
  • 一般的な着圧商品か、医療目的の弾性ストッキングかを確認する
  • 製品指定の採寸方法とサイズ表を見る
  • 就寝・旅行など特殊な条件では使用方法や健康状態も確認する

 

圧迫圧・サイズ・丈を確認する

着圧ソックスを選ぶ際は、圧迫の強さだけでなく、脚に適切にフィットするサイズかどうかも確認します。製品によって採寸する部位やサイズ区分が異なるため、普段履いている靴下のサイズだけでは選べない場合があります。

丈についても、ハイソックスやストッキングなど製品によって異なります。自分の使用目的と製品の説明を照らし合わせて選びましょう。

 

強さだけで選ばず適合サイズを優先する

「圧が強いほど効きそう」という理由だけで選ぶのは避けましょう。適正な圧迫を得るには、その製品で指定されている方法に沿ってサイズを合わせることが前提になります。

特に医療目的で使用している場合は、自分の判断でより強い圧迫の商品へ変更せず、医師などの指示と製品の添付文書を確認してください。

一般的な着圧商品でも、サイズ表や対象部位、想定されている着用時間などを確認して選ぶことが大切です。

 

メンズ向けはサイズと着用場面で選ぶ

メンズ向けの着圧ソックスを探す場合も、「男性向け」という表示だけで効果を判断する必要はありません。

確認したいのは、自分の脚に合うサイズが用意されているか、必要な丈や着用感になっているか、使いたい場面に対応しているかといった点です。

 

寝るときに着圧ソックスを履いてもよい?

寝るときの着用可否は、「着圧ソックスならすべて同じ」と考えないことが重要です。

就寝時使用を想定した製品が存在する一方、PMDAの添付文書検索サイトに掲載されている医療用弾性ストッキングには、医師が必要と認める場合を除き就寝時に着用しないよう明記された製品もあります。これは当該製品の使用条件であり、すべての着圧商品へ一律に当てはまるものではありません。

 

就寝時は製品表示と医師の指示を優先する

寝るときに使いたい場合は、まずその製品が就寝時の使用を想定しているか確認してください。「着圧」という共通点だけを理由に、日中用の商品を夜間も使い続けることは避けます。

医療用弾性ストッキングを使用している場合は、添付文書や医師からの指示を優先します。製品ごとに使用条件が異なるため、別の商品について書かれた一般的な情報をそのまま当てはめないようにしましょう。

 

日中用と就寝用を自己判断で置き換えない

日中用と就寝用では、想定されている使用場面が異なる場合があります。

そのため、「昼に使えるから夜も使える」「夜用だから医療目的にも使える」と自己判断で置き換えるのは避けましょう。

パッケージや公式の使用方法を確認し、判断できない場合や医療目的で使用している場合は、医師などの医療従事者へ相談してください。

 

飛行機で着圧ソックスを使うときの考え方

長時間の飛行機移動では、脚のむくみに加えて、旅行関連の静脈血栓塞栓症(VTE)を心配して着圧ソックスを検討する人もいます。

ただし、「飛行機に乗るなら全員が着圧ソックスを履くべき」と一律に考えることはできません。

 

飛行機でのむくみ対策とVTE予防は分けて考える

長時間座ったまま過ごす旅行ではVTEのリスクが問題になりますが、そのリスクは移動時間だけで決まるものではありません。過去のVTEや最近の手術など、個人が持つリスク因子によって判断が変わります。

そのため、「脚のむくみが気になるので着圧ソックスを使いたい」という目的と、「血栓を予防したい」という医学的な目的は分けて考える必要があります。

 

VTEリスクの有無で予防の考え方は異なる

航空旅客を対象とした2021年のCochraneレビューでは、研究対象に類似した航空旅客で着用による無症候性DVT(無症候性深部静脈血栓症)の減少を支持する結果が示されています。ただし、これをすべての旅行者や症候性VTE予防へ無条件に一般化することはできません。

米国血液学会(ASH)のガイドラインでも、長距離旅行時の弾性ストッキング使用はVTEリスクに応じて分けられています。持病やVTEの既往などがある場合は、旅行前に医療従事者へ相談することが適切です。

 

着圧だけに頼らず脚を動かす

長時間移動では、着圧ソックスだけを対策にするのではなく、可能な範囲で体を動かすことも大切です。座っている時間が長くなる場合は、ときどき歩いたり、座席で脚を動かしたりすることも検討します。

血栓リスクが高い人は、一般的な旅行対策だけで自己判断せず、自分に必要な予防方法を医療従事者へ確認してください。

 

使用前に医療者へ相談したいケースと異常時の対応

着圧による圧迫が、誰にでも適しているとは限りません。医療用圧迫療法については、状態によって慎重な判断が必要になります。

持病がある人や、着用中に異常を感じた人は、無理に使い続けないことが重要です。

 

血流障害や心不全、神経障害などがある場合

血流障害、心臓の病気、知覚・神経障害などの基礎疾患がある人は、着圧製品を自己判断で使用する前に医師へ相談した方がよい場合があります。

ただし、この記事だけで個人について「使用できる」「使用できない」と判定することはできません。病状の程度や製品の圧迫条件によって判断が変わるため、治療中の病気がある場合は主治医などへ確認してください。

 

痛み・しびれ・皮膚色の変化などが出たら使用を中止する

着用中に痛み、しびれ、皮膚の色の変化などの異常を感じたら、そのまま我慢して使い続けないことが大切です。

PMDAの添付文書検索サイトに掲載されているの医療用弾性ストッキングでも、疼痛、しびれ、皮膚や爪の変色などが生じた場合は直ちに使用を中止するよう記載された製品があります。

症状が強い場合や続く場合、もともと治療中の病気がある場合は、医療機関へ相談してください。

 

まとめ

着圧ソックスは、脚のむくみや重だるさの軽減に役立つことがあります。ただし、「着圧」という名称だけですべての商品を同じものとして扱ったり、圧が強いほどよいと考えたりするのは避けましょう。

選ぶときは、まず使用目的を整理します。そのうえで、一般的な着圧商品なのか医療用弾性ストッキングなのかを確認し、サイズ、圧迫条件、使用する時間帯を見ていきます。

寝るときや飛行機で使う場合も、製品表示と自分の健康状態を踏まえた判断が必要です。持病がある場合や医療目的で使用する場合、着用中に痛みやしびれなどの異常が出た場合は、自己判断だけで使い続けず、医師などの医療従事者へ確認してください。

 

参考出典

 

関連製品|ATNコンプレッションソックス

着用の有無によって一日の快適度がまるで違う着圧ソックスです。立ち仕事による疲労・むくみケアの時におすすめです。履いているだけで楽しく明るい気分になれるような多彩なデザインです。圧迫力クラス2 (20-30mmHg)、ラテックスフリーです。

製品名:ATNコンプレッションソックス
製品ページ:https://meilleur.co.jp/product/compression-socks/

 

名優サイト購入ページ

 

※本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。医療目的で使う場合、持病がある場合、就寝時・長距離旅行での使い方に迷う場合は、購入や使用条件を自己判断だけで決めず、製品の公式情報と医師・医療従事者の指示を確認してください。

よくある質問

着圧ソックスはむくみに効果がありますか?

対象や使用条件によって、むくみの軽減に役立つことがあります。ただし、すべての人・すべての商品で同じ効果が得られるとはいえません。

寝るときも履いてよいですか?

製品ごとに確認が必要です。就寝時使用を想定した商品か確認し、医療用の場合は添付文書や医師の指示を優先してください。

医療用弾性ストッキングと一般的な着圧ソックスは同じですか?

同じとは限りません。法律上では医療用の「弾性ストッキング」に一般的名称と定義が設けられています。

飛行機では着圧ソックスを履くべきですか?

全員に一律で必要とはいえません。静脈血栓塞栓症(VTE)リスクの有無によって予防の考え方が異なるため、リスク因子がある場合は旅行前に医療従事者へ相談してください。