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再生処理の知識

【選定試験】洗浄工程インジケータの特長や選び方、使い方をご紹介します。

SALWAYの洗浄工程インジケータ

ウォッシャーディスインフェクター(WD)を使用した洗浄工程が正しく行われたかをモニタリングする、洗浄工程インジケータ。

 

今回は、SALWAYの洗浄工程インジケータの特長や選び方、使い方をご紹介します。

 

公開日:2023年7月1日
更新日:2023年11月30日

1. SALWAYの洗浄工程インジケータの特長

1-1. 5種から最適なインジケータを「選択」する

WDを使用した機械洗浄による洗浄力は、機械作用・温度・化学作用・時間の掛け合わせであるため、WDや使用する洗剤などにより異なります。

機械洗浄では、プロペラの回転不良や洗剤供給チューブの詰まり等の不具合により、洗浄力が低下することが起こり得ます。適切に洗浄できていない可能性のある器材は、次の工程に進めてはいけません。

インジケータの使用する目的は、洗浄工程に何らかの不具合が発生し洗浄力が低下した時に、それを確実に検知することです。そのためには、それぞれが本来持つ洗浄力に最も近いインジケータを選択し、日常のモニタリングを実施する必要があります。

(図)WDの洗浄力に最も近いインジケータを選ぶ

SALWAYの洗浄工程インジケータは、WDやプログラムに合ったインジケータを5種から「選択」することができます。

 

1-2. 予備洗浄では落ちない

インジケータは、洗剤チューブの詰まりなどの洗剤関連の不具合も検知しなくてはなりません。洗剤が使用されない予備洗浄で落ちてしまうインジケータでは、洗剤関連の不具合を見抜くことはできません。

SALWAYの洗浄工程インジケータは、洗剤が使用されない予備洗浄では色落ちしないため、洗剤関連の不具合もモニタリングすることができます。

プログラム開始

予備洗浄前のインジケータ画像

予備洗浄中

予備洗浄中のインジケータ画像

予備洗浄後

予備洗浄後のインジケータ画像

 

1-3. 裏面シールで記録紙へ簡単に貼り付け

SALWAYのインジケータは、裏面がシールになっており、簡単に記録紙に貼り付けることができます。洗浄終了後にインジケータを記録する際に、テープや糊を使用する必要がありません。

インジケータの記録紙への貼り付け

 

2. 適切なインジケータの選び方

本章では、どのように5種から最適なインジケータを選択するのかを、実際に行った検証試験の結果をもとに解説していきます。

2-1. Step1:5色の色落ちが外から見えるように設置する

5色のインジケータをインジケータホルダーにセットし、外から色落ちが見えるようにバスケットに設置します。これは、洗浄工程のどの段階でどの色が落ちたかを、洗浄工程中に外から確認するためです。

5色の色落ちが外から見えるように設置する画像

 

2-2. Step2:プログラムを開始してインジケータの色落ちを確認する

インジケータを設置後、プログラムを開始します。洗浄工程のどの段階で、何色が落ちたかを記録してください。三脚などを使って、動画で撮影するのが便利です。

ここでは、実際の検証結果の一部をご紹介します。

①プログラム開始
②洗剤投入後、最初に緑色が完全に色落ち
③続いて、青色が完全に色落ち
④その後、黄色と紫色が色落ちし始める
⑤黄色と紫色は落ち切らないままプログラム終了

①プログラム開始

①プログラム開始のインジケータ画像

②最初に緑色が完全に色落ち

②最初に緑が完全に色落ちした画像

③続いて青色が完全に色落ち

③青が完全に色落ちした画像

④黄色と紫色が色落ちを開始

④黄と紫のインジケータが色落ちし始めた画像

⑤黄色と紫色は落ち切らずにプログラム終了

⑤プログラム終了、黄ろ紫が色残り、赤が完全に残った画像

 

2-3. Step3:本洗浄終了の直前で色落ちしたインジケータを選択する

先ほどの検証結果を洗浄工程のグラフに当てはめてみると、このようになります。

どの工程でインジケータが色落ちしたかを示す図

本洗浄に入り洗剤が投入されたのちに、緑色が色落ちし、その後青色が色落ちしています。

冒頭でもお話しましたが、洗浄力は機械作用・温度・化学作用・時間の掛け合わせです。洗浄力が一番高まっている、本洗浄終了の直前に色落ちしたインジケータを選択します。

今回の場合、「青色」を選択することになります。

 

2-4. Step4:プログラム毎に検証を実施する

同一WDでも、洗剤や洗浄時間が異なれば洗浄力が違うため、最適なインジケータは違う場合があります。

例えば、酵素洗剤とアルカリ洗剤の2種類のプログラムを実施しているのであれば、プログラム毎にインジケータの選択検証を実施しましょう。

こちらは、同一WDで違うプログラムでインジケータの選択検証をした際の色落ち結果の一例です。

酵素洗剤の場合は、黄色が完全に色落ち。アルカリ洗剤では、緑色・青色が完全に色落ちしています。

プログラムによって色落ちは異なることを示す画像

 

3. 日常のモニタリング方法

本章では、洗浄工程インジケータを日々運用する上での留意点などを解説します。

3-1. インジケータは毎回使用する

WDを使用した機械洗浄で起こり得る不具合は、いつ発生するかわかりません。機械によるエラーのみでなく、誤ったプログラムを選択するなどヒューマンエラーも起こり得ます。

そのため、毎回の洗浄が正しく行われているかを確認するためには、インジケータを毎回使用する必要があります。

また仮に、朝一回しかインジケータによるモニタリングを実施していない場合。インジケータが不合格を示した際は、前日の2回目以降の洗浄全てに洗浄不良の可能性があり、リコールする必要があります。

インジケータを毎回使用することは、洗浄不良が発生した際のリコール対象を最小限に抑えることにもつながります。

 

3-2. インジケータは毎回同じ場所に設置する

インジケータは、設置場所によって結果が異なることがあります。

例えば、この写真の一例の場合。バスケットの上面に設置した赤色のインジケータは完全に色落ちしていますが、側面に設置したものは90%以上色残りしています。

これは、上面と側面で水の当たり方が異なるために発生した現象です。

設置場所によって色落ち結果は異なる

このように、インジケータは設置する場所によって、色落ち結果が異なることがあります。

毎回同一の条件でモニタリングするためには、毎回同じ場所にインジケータを設置する必要があります。

 

3-3. 内腔器材の洗浄評価にはフローPCDを使用する

内腔器材の内部まで洗浄できているかは、バスケットに設置されたインジケータでは確認することはできません。内腔器材を洗浄するためのWDの洗浄ポートに、適正な水流と洗剤量が供給されているかを確認する必要があります。

内腔洗浄フローPCDを使用すれば、内腔器材の洗浄工程のモニタリングが可能です。洗浄工程インジケータをフローPCDに挿入した上で、フローPCDをWDの洗浄ポートに接続して使用します。

洗浄工程インジケータをフローPCDに挿入

フローPCDに洗浄工程インジケータを挿入する

フローPCDを洗浄ポートに接続

洗浄ポートにフローPCDを設置する画像

 

4. 洗浄工程インジケータの解説動画

洗浄工程インジケータの選び方や使い方を、約2分の動画にわかり易くまとめています。よろしければ、こちらもご覧ください。

洗浄工程インジケータに関するお問合せや各種ご依頼(お見積り/サンプルなど)は、営業担当またはSALWAYのWebサイトのお問合せフォームよりご連絡下さい。

SALWAY 洗浄工程インジケータ

 

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