目次
- 1. 滅菌コンテナとは
- 2. 他の包装材と比較した滅菌コンテナの特徴(メリット・デメリット)
- 3. コンテナ化を検討する際の視点
- 4. 滅菌コンテナの使用方法(運用)
- 4-1. 洗浄
- 4-1-1. 滅菌コンテナは洗浄して使用する
- 4-1-2. アルミニウム製のコンテナはアルカリ洗剤では洗えない
- 4-2. 検査
- 4-2-1. パッキンにひび割れや断裂がないことを確認する
- 4-2-2. バリア機構に異常がないことを確かめる
- 4-2-3. 本体や蓋に歪みやへこみがないことを確かめる
- 4-3. 組立
- 4-3-1. 器材がコンテナの蓋に接しないように包装する
- 4-3-2. 重い器材は詰め込み過ぎに注意する
- 4-3-3. 誤開封防止シールを装着する
- 4-4. 滅菌
- 4-4-1. 滅菌コンテナが対応している滅菌法で滅菌する
- 4-4-2. 滅菌前後でコンテナの重量を比較する(高圧蒸気滅菌)
- 4-5. 保管
- 4-5-1. 滅菌物保管の基準に合った環境で保管する
- 4-5-2. 積み重ね保管できる滅菌コンテナもある
- 4-6. 使用
- 4-6-1. 看護師2名で器材が不潔にならないよう開封する
- 4-7. 回収
- 4-7-1. 滅菌コンテナはバスケットを取り出した後、中央材料室に返却される
- 4-7-2. 使用済器材は、回収用コンテナに入れ中央材料室に返却される
- 5. 滅菌コンテナの選び方
- 6. 主要な滅菌コンテナの一覧
- 7. よくある質問
1. 滅菌コンテナとは
1-1. 手術器材などをセット組にして包装する、包装材のひとつ
高圧蒸気滅菌や過酸化水素ガス滅菌などで滅菌された器材は、それが使用される直前まで、その無菌性が維持されなくてはなりません。そのために、滅菌剤(蒸気やガス)は浸透するが病原菌は侵入しないように、適切な包装材を用いて器材を包装する必要があります。
滅菌コンテナは、医療機関で一般的に使用される包装材のひとつです。他の包装材には、滅菌バッグや滅菌ラップなどがあります。
1-2. 滅菌コンテナは、本体・蓋・パッキン・バリア機構で構成される
滅菌コンテナは、器材を収納するための本体、本体を密閉するための蓋、本体と蓋とのすき間をなくすパッキン(ガスケット)、病原菌を侵入させないフィルター等のバリア機構で構成されます。
本体と蓋
パッキン(ガスケット)
フィルター
1-3. フィルター等のバリア機構で、病原菌の侵入を阻む
滅菌コンテナ内に器材を収納し、蓋を閉め密閉した上で、滅菌器に入れて滅菌します。すると、コンテナ内に蒸気やガスなどの滅菌剤がフィルターを通じて進入し、コンテナ内の器材を滅菌します。
器材が滅菌された時点で、バリア機構により外部からの病原菌の侵入が阻まれ、蓋を開けられる時まで器材の無菌性が維持される仕組みです。
つまり、バリア機構は蒸気やガスなどの滅菌剤は通すが、病原菌は通さないという非常に重要な役割を担っています。
1-4. バリア機構には、フィルター、フィルターレスなどの種類がある
無菌性を維持するバリア機構には、いくつか種類があります。ここでは、主要なバリア機構をご紹介します。
1-4-1. フィルター(使い捨て)
滅菌するたびに、使い捨てのフィルターを付け替えるタイプです。滅菌法によって、蒸気滅菌にはペーパーフィルター、過酸化水素ガス滅菌には不織布フィルターと使い分けます。鋭利な器材先端が当たっても貫通せずフィルターの破損リスクが少ない、フィルター押さえがオフセット方式の滅菌コンテナもあります。
フィルター押さえを外した状態
オフセット方式のフィルター押さえ
1-4-2. フィルター(リユース)
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製フィルターで、最大5,000回程度までリユースできることを特徴としています(最大使用回数はメーカーにより異なる場合があります)。滅菌するたびに、フィルターを変える手間がありません。
使用する際には、規定回数に到達していないこと、PTFE製フィルターの変色や傷の有無など安全に使用できる状態かを確認します。
フィルター押さえを外した状態
1-4-3. フィルターレス(迷路型)
耐熱性樹脂PPSU(ポリフェニルスルホン)製の迷路型バリア機構のディスクが付いており、繰り返し使用できます。
使用する際には、ひび割れや損傷がないことを確認して使用します。異常がある場合、ディスクを交換する必要があります。
迷路型ディスクを外した状態
1-4-4. フィルターレス(バルブ)
滅菌器内の圧力変化によって、スプリングが上下し、弁が開閉する構造です。最大2,000回程度までリユースできます(使用回数はメーカーにより異なる場合があります)。
1-5. バリア機構の方式に関わらず、異常がないことを確認する
滅菌コンテナのバリア機構の種類(使い捨てフィルター、リユースフィルター、フィルターレス)に関わらず、包装時およびコンテナの開封時に、異常がないことを確認します。バリア機構が破綻しているコンテナ内の器材は、無菌性が破綻しているため再滅菌が必要です。
リユースフィルターやフィルターレスタイプは、バリア機構を繰り返し使うことができますが、それは「毎回のバリア機構の確認が不要」というわけではありません。
1-6. 欧米では、滅菌コンテナは「医療機器」
滅菌コンテナは、単なる容器ではありません。再生処理プロセスのうち、包装として医療安全に大きく関わるため、欧米ではCEマークやFDA認証を要する医療機器として扱われています。
そのため滅菌コンテナは、どのくらいの内径・長さの器材が滅菌できるのか、どのような滅菌法・サイクルに対応しているのかといった性能をまず検討する必要があります。
2. 他の包装材と比較した滅菌コンテナの特徴(メリット・デメリット)
2-1. ラップ包装は一定の技量が必要
滅菌コンテナ以外の包装材として、滅菌ラップを使用した包装があります。小さい包装物は封書式、大きい包装物は小包式で包装することが多いです。いずれもラップ包装には一定の技量が必要です。
2-2. 滅菌コンテナは技量を問わずに、簡単に準備できる
無菌性を維持するためのラップ包装には一定の技量を要しますが、滅菌コンテナを使用すれば、作業者の技量を問わず簡単な操作で行うことができます。また、滅菌ラップや滅菌バッグなどの包装材の多くは使い捨てで大量の廃棄物が発生しますが、滅菌コンテナは消耗品や廃棄物がほとんどありません。
2-3. その他の主なメリット・デメリット
他の包装材と比較した際の、滅菌コンテナの主なメリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
・緊急手術への対応がスムーズになる
・多様な術式への対応が容易になる
・器材の組立時間を短縮できる
・器材展開が素早くできる
・滅菌バッグなどの包装材と比べてランニングコストが低減される
【デメリット】
・初期導入費用がかかる
・既存の保管棚や器械展開台の改修費用が発生することがある
・フルコンテナ化にはかなりの数量の器材の補充が必要となる
・特定の滅菌法やサイクルにしか対応していない場合がある
・バリア機構などの故障に気づかないまま使い続けてしまうおそれがある
3. コンテナ化を検討する際の視点
コンテナ化は業務の合理化に貢献する一方、十分な経済的支援が必要になります。限られた予算のなかでは、何でもコンテナ化すればよいわけではありません。コンテナ化する優先度を以下の条件から決めていきます。
3-1. よく使用するセット器材をコンテナ化する
手術で頻度高く使用するセット器材を、コンテナ化します。
(例)
・1週間に2回以上使われる器材セットからコンテナ化する
・婦人科と泌尿器科など共通で使えるセットを開腹セットなどとしてコンテナ化する
3-2. 貴重・脆弱な器材をコンテナ化する
高額な器材や繊細な器材を保護する目的で、コンテナ化します。
(例)
・内視鏡セットをコンテナ化する
・ロボット手術支援機器をコンテナ化する
固定具を用いて内視鏡をセットしたバスケット
3-3. 包装が難しい器材をコンテナ化する
滅菌ラップでの包装が困難な器材をコンテナで包装します。
(例)
・重くて包装の難しい整形外科の貸出器材をコンテナ化する
・ブックウォルター(開創器)など特殊な形状器材をコンテナ化する
整形外科貸出器材セット
ブックウォルター(開創器)をセット組したバスケット
4. 滅菌コンテナの使用方法(運用)
4-1. 洗浄
4-1-1. 滅菌コンテナは洗浄して使用する
滅菌コンテナを清潔に使用するためには、コンテナ自体の洗浄が必要です。フィルターの有無に関わらず、バリア機構も洗浄する必要があります。
4-1-2. アルミニウム製のコンテナはアルカリ洗剤では洗えない
アルミニウム製の滅菌コンテナの場合、アルカリ洗剤を使用するとアルミニウムが腐食するため、中性洗剤で洗浄します。コンテナに合った洗剤で洗浄することで長く使用することができます。
4-2. 検査
4-2-1. パッキンにひび割れや断裂がないことを確認する
滅菌コンテナの蓋等に用いられているパッキンにひび割れや断裂、硬化がないことを確認します。パッキンが破損している場合、そこから無菌性バリアが破綻する可能性があります。
4-2-2. バリア機構に異常がないことを確かめる
フィルターやフィルターレス、バルブなどの方式に関わらず、バリア機構に異常がないことを確認します。
4-2-3. 本体や蓋に歪みやへこみがないことを確かめる
滅菌コンテナの本体や蓋に歪みやへこみがないことを確認します。
4-3. 組立
4-3-1. 器材がコンテナの蓋に接しないように包装する
故障の原因となるため、収納時にバスケット内の器材が滅菌コンテナの蓋に接しないように注意します。
4-3-2. 重い器材は詰め込み過ぎに注意する
乾燥不良やコンテナの破損につながるため、整形外科のベンダーなど重い器材は、詰め込みすぎないように注意します。滅菌コンテナメーカーが指定する重量上限を確認しましょう。
4-3-3. 誤開封防止シールを装着する
器材をセットしたら、誤開封防止シールを装着します。このシールを壊さなければ開封できないので、使用するまでコンテナが未開封であり無菌性が保たれていることがわかります。
青い誤開封防止シールを装着した滅菌コンテナ
4-4. 滅菌
4-4-1. 滅菌コンテナが対応している滅菌法で滅菌する
必ず滅菌コンテナが対応した滅菌方法で使用します。高圧蒸気滅菌にのみ対応したコンテナもあるので注意が必要です。ステラッドやV-PROには、過酸化水素ガス滅菌に対応したコンテナを使用しましょう。
4-4-2. 滅菌前後でコンテナの重量を比較する(高圧蒸気滅菌)
滅菌コンテナ内部にドレインが溜まっているかは、外から目視で確認することはできません。滅菌前と滅菌後の重量を比較するため、滅菌コンテナ内部まで室温に戻った状態で重量を測り、重量差がなく、内部にドレインが溜まっていないことを確かめます。
高圧蒸気滅菌後は、滅菌コンテナ内部が熱くなっています。コンテナ内で熱せられた空気は比重が軽くなり、滅菌コンテナを持ち上げようとする浮力が作用します。つまり、内部が熱い滅菌コンテナは、さながら気球のような作用が働いているということです。したがって、重量を測る際は、必ず滅菌コンテナ「内部」まで滅菌前と同じ温度となってから計測してください。
4-5. 保管
4-5-1. 滅菌物保管の基準に合った環境で保管する
滅菌したコンテナは、無菌性バリアが破綻しないよう、適切な条件下で保管する必要があります。
垂直回転棚に保管されたコンテナ
以下に、『医療現場における滅菌保証のガイドライン2021』(P.225)の滅菌物の保管に関する記載を抜粋しますので、参考にしてください。
16.1 滅菌物の保管【滅菌供給部門内での滅菌物保管上の留意点】
(勧告)
16.1.1 バリアされた滅菌物を保管するにあたって、清浄な空気を提供するHEPAフィルタは必須とせず、換気圧は常圧、もしくは陽圧とする。室内の明るさは、包装材の微細破損を確認できる照度を確保する。室内は温度20〜25℃、湿度40〜50%を目安に維持し、温湿度変動による結露発生を防止する空調管理をおこなう16.1.2 滅菌物は床、天井、外壁から十分離れた場所で保管する。滅菌物を保管するための保管棚に滅菌物以外を収納しない。滅菌物は、床から少なくとも20cm、天井のスプリンクラー設備周辺から45cm以上、外壁から5cm以上の距離を確保する。保管棚は扉やカバーで保護されたキャビネット、あるいは、「16.1.1」に記載した環境においてはオープンラックとする
16.1.3 棚板は可変式である方が様々な滅菌物に対応できる。バッグや不織布包装は、その底面に摩擦が生じないようフラットな棚板を採用し、積み重ねない。引き出しや容器など小分け収納の際は、詰めすぎや引き出す行為によって破れないよう対象物に合わせ適切な容量を確保する。滅菌コンテナは重量、構成に合わせ保管棚を選定する。積み重ねる場合、互いにしっかりと積み重ねられ、容易に取り出せる作業性が重要である。
4-5-2. 積み重ね保管できる滅菌コンテナもある
滅菌コンテナによっては、積み重ねて保管できるタイプもあります。積み重ねて保管することで、スペースを有効活用することができます。
4-6. 使用
4-6-1. 看護師2名で器材が不潔にならないよう開封する
コンテナから器材を取り出す際には、滅菌した器材が不潔にならないように注意する必要があります。具体的には、以下のような手順で器材を取り出します。
①外回り看護師が、滅菌コンテナの誤開封防止シールを壊して開封する
②手洗い看護師が、清潔操作で滅菌コンテナからバスケットごと器材を取り出す
③手洗い看護師が、滅菌コンテナ内の滅菌インジケータの変色を確認する
④手洗い看護師が、バスケットの器材を展開する
⑤外回り看護師が、使用後のフィルターなどバリア機構に異常がないことを確認する
4-7. 回収
4-7-1. 滅菌コンテナはバスケットを取り出した後、中央材料室に返却される
手術室でバスケットに入れた器材を取り出したコンテナは、そのまま中央材料室に返却されます。
4-7-2. 使用済器材は、回収用コンテナに入れ中央材料室に返却される
手術で使用され汚染された使用済器材は、回収用コンテナに入れて中央材料室に返却されます。滅菌コンテナを回収用として使用することもあります。
5. 滅菌コンテナの選び方
滅菌コンテナは、素材や対応滅菌法、バリア機構、乾燥性能、堅牢性、視認性などさまざまな製品があります。再生処理の質という観点から滅菌コンテナを選ぶ際に検討したい優先事項は、対応している滅菌法・乾燥性能・堅牢性の3点です。
5-1. 対応している滅菌法で選ぶ
大前提として、自院で実施している滅菌法に対応した滅菌コンテナを選択する必要があります。高圧蒸気滅菌のみに対応したコンテナを、過酸化水素ガス滅菌に使用することはできません。
以下のような視点で検討します。
・既存の滅菌器の滅菌法やサイクルに対応しているかどうか
・将来導入される滅菌器の滅菌法にも対応している方がよい場合がある
・CEマークやFDAの認証の有無は滅菌法に厳正に対応しているかの参考になる
5-2. 乾燥性能で選ぶ(高圧蒸気滅菌)
整形外科の重たい器材などは、滅菌工程後も乾燥しきらずコンテナの濡れを発生させることがあります。器材の再滅菌を防ぐためにも、滅菌コンテナの乾燥性能は重要です。
・既存の滅菌器の設定で、もっとも難しい(重量が大きい)整形セットなどを充分に乾燥できるか
・カートに入れて滅菌する場合は、乾燥しにくい最下段でも乾燥しているかを確認する
・どの滅菌コンテナでも充分に乾燥しない場合、収納器材を分けることも検討する
・どうしても乾燥が充分でない場合、乾燥促進シートの導入も検討する
5-3. 堅牢性で選ぶ
何度も繰り返し使用し、導入コストもかかる滅菌コンテナは、故障なく長く使えることが理想です。将来的な修理や買い替えによるコスト発生の可能性も、視点として持っておくのがおすすめです。
・長く安全に使用できる耐久性を破壊試験データ等で確かめる
・メーカーの品質保証期間を確認する
・修理時に想定される費用や修理期間、代替品提供の有無を確認する
13年間使用されたSALWAYの滅菌コンテナ
6. 主要な滅菌コンテナの一覧
主要な滅菌コンテナを、対応滅菌法などを含め一覧にまとめました。滅菌コンテナを選ぶ際にご活用ください。
製品名 | 素材 | パッキン | バリア方式 | 対応滅菌法 | 認証 | メーカー | 原産国 |
iCon | 蓋:PPSUプラスチック 本体:アルミニウム |
シリコン | ステンレスフィルター | 高圧蒸気 過酸化水素ガス EOG |
なし | 大東金網株式会社 | 日本 |
イージーフィットシステム | 蓋:アルミニウム 本体:アルミニウム |
シリコン | バルブ | 高圧蒸気 | CE FDA |
株式会社ホギメディカル | イタリア |
エースクラップ・ベーシック | 蓋:アルミニウム 本体:アルミニウム |
シリコン | フィルター PTFEリユース |
高圧蒸気 | CE FDA |
村中医療器株式会社 | ドイツ |
エースクラップ・バリオ | 蓋:アルミニウム 本体:アルミニウム |
シリコン | フィルター PTFEリユース |
高圧蒸気 | CE FDA |
村中医療器株式会社 | ドイツ |
エースクラップ・プライムライン | 蓋:アルミニウム 本体:アルミニウム |
シリコン | PTFEリユース | 高圧蒸気 | CE FDA |
村中医療器株式会社 | ドイツ |
エースクラップ・アイコン | 蓋:アルミニウム 本体:アルミニウム |
シリコン | PTFEリユース | 高圧蒸気 | CE FDA |
村中医療器株式会社 | ドイツ |
マーチン・マイクロストップ | 蓋:アルミニウム 本体:アルミニウム |
シリコン | 迷路構造 | 高圧蒸気 | CE | 株式会社エムエス | ドイツ |
AYGUN・バイオバリアモデル | 蓋:アルミニウム 本体:アルミニウム |
シリコン | バルブ | 高圧蒸気 | CE | 宮野医療器株式会社 | トルコ |
AYGUN・バイオストップモデル | 蓋:アルミニウム 本体:アルミニウム |
シリコン | 迷路構造 | 高圧蒸気 | CE | 宮野医療器株式会社 | トルコ |
AYGUN・WINDOWモデル | 蓋:アルミニウム&PPSU強化プラスチック 本体:アルミニウム |
シリコン | 迷路構造 | 高圧蒸気 | CE | 宮野医療器株式会社 | トルコ |
AYGUN・プラズマモデル | 蓋:アルミニウム 本体:アルミニウム |
シリコン | フィルター | 過酸化水素ガス | CE | 宮野医療器株式会社 | トルコ |
GENESIS | 蓋:アルミニウム 本体:アルミニウム |
シリコン | フィルター | 高圧蒸気 過酸化水素ガス EOG |
FDA | ミズホ株式会社 | 米国 |
SALWAY・滅菌コンテナ | 蓋:航空機グレード強化アルミニウム 本体:航空機グレード強化アルミニウム |
プラチナシリコン | フィルター | 高圧蒸気 過酸化水素ガス EOG |
CE FDA |
株式会社名優 | 米国 |
7. よくある質問
7-1. フィルターレスの滅菌コンテナについて
Q:フィルターレスにすればフィルター交換の手間をなくすことができて、業務効率化できると提案を受けました。フィルターレスの滅菌コンテナについて教えてください。
A:フィルターレスの滅菌コンテナのバリア機構には、①PTFEリユース、②迷路構造、③バルブ構造といった種類があります。中にはダイナミックパルスの滅菌器にのみ対応している製品もあるので、自施設で使用できる製品か確認しましょう。
また、施設の状況によってはフィルターレス方式が必ずしも効率化につながらないこともあります。フィルター方式の方が滅菌時間や乾燥時間が短く済むこ
7-2. 滅菌コンテナ内が濡れていた場合の再滅菌について
Q: オートクレーブ滅菌で水濡れのあるウェットパックは再滅菌しなければならないと教わりましたが、滅菌コンテナや包装材の外まで濡れていなければ使用してもよいのでしょうか?
A:ハイスピード(フラッシュ)滅菌された器材は濡れていますが、直ちに使用するので安全とされています。ウェットパックも滅菌後直ちに使用するなら安全ですが、保管していた滅菌バッグや滅菌コンテナが濡れていた場合は、安全ではありませんので再滅菌が必要です。病原菌はおよそ20分ごとに倍増することがその理由です。
7-3. 滅菌コンテナで包装した場合の滅菌有効期限について
Q:当院ではオートクレーブ滅菌した滅菌コンテナの滅菌有効期限は6カ月、ステラッドで滅菌した滅菌バッグは1年と定めています。最近では包装の状態を確認し破損がなければ使用してよい、といったシステムになってきていると聞きましたが、どちらの考え方が正しいのでしょうか。
A:貴院で採用されている方式は、時間を基準にして管理するTime-related方式ですね。破損がなければ使用してよい、というのはEvent-related方式の考え方と思われます。Event-related方式は、落としたり、脇で抱えたり、特別な衝撃や負荷が与えられない限り、無菌性が維持されているとみなし管理する方式です。いずれの方式を採用する場合も、根拠をもって決めることが大切です。
滅菌有効期限は、滅菌コンテナの性能と運用状況により異なりますので、実際に無菌試験を行って決めるのが理想です。例えば、滅菌後1日2回滅菌コンテナを動かし、1カ月、2カ月、3カ月後に無菌性が維持されているか試験して、いつまで滅菌が有効と言えるかを検証します。
滅菌コンテナに関するお問合せや各種ご依頼(お見積り/お貸出しなど)は、営業担当またはSALWAYのWebサイトのお問合せフォームよりご連絡下さい。