花粉症とは?まず知っておきたい症状と原因
花粉症は、植物の花粉を原因として起こるアレルギー性疾患です。鼻に症状が出るアレルギー性鼻炎や、目に症状が出るアレルギー性結膜炎などとして現れます。
症状の種類や強さには個人差があります。毎年同じ季節に症状が出ていても、症状だけから原因となる花粉を特定することはできません。必要に応じて、医療機関で原因を確認します。
花粉症の主な症状
花粉症では鼻や目の症状がよくみられますが、のどの違和感や咳などを伴う場合もあります。
くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目の症状が代表的
代表的なのは、繰り返すくしゃみ、水のような鼻水、鼻づまりです。目には、かゆみ、涙、充血などが現れることがあります。
これらは、花粉が鼻や目の粘膜に触れることで起こるアレルギー反応と関係しています。鼻づまりが強くなると、口呼吸になったり、睡眠に影響したりすることもあります。
毎年似た時期に症状が出る人は、いつ症状が始まったか、外出すると悪化するかなどを記録しておくと、医療機関へ相談するときの手がかりになります。
咳が続くときは花粉症だけと決めつけない
花粉症の時期に、のどの違和感や咳を伴うことはあります。ただし、咳の原因が花粉症とは限りません。
喘息をはじめ、感染症やほかの呼吸器疾患でも咳は起こります。咳が長く続く、息苦しい、ゼーゼー・ヒューヒューするといった症状がある場合は、花粉症だけの問題と自己判断せず、医療機関へ相談してください。
花粉症の英語表現
日常的には「hay fever」という表現が広く使われます。医学的な文脈では「pollinosis」や、症状の現れ方に応じて「seasonal allergic rhinitis」などの表現も用いられます。
英語で情報を探す場合は、「hay fever」に加えて「pollen allergy」「seasonal allergic rhinitis」などの語を使うと、医療情報を探しやすくなります。
花粉症の時期はいつ?「今」と6月の花粉を考える
花粉症の時期は、スギやヒノキが飛散する春だけではありません。原因となる植物や地域によって、春から秋までさまざまな花粉が飛散します。
「もう花粉症の時期ではないはず」と決めつけるのではなく、症状が出ている地域や時期に、どの花粉が飛んでいる可能性があるかを確認することが大切です。
日本で多い花粉と飛散時期
日本ではスギやヒノキがよく知られていますが、イネ科、ブタクサ、ヨモギなどの花粉も花粉症の原因になります。
スギやヒノキは主に春、イネ科は春から初秋、ブタクサやヨモギなどは夏の終わりから秋に飛散する傾向があります。ただし、実際の時期は地域やその年の気象条件によって変わります。
| 花粉の例 | 主な時期の目安 | 備考 |
| スギ・ヒノキ | 主に春 | 地域・年によって開始・終了時期が変わる |
| イネ科 | 春〜初秋 | 6月を含む時期にも候補になる |
| ブタクサ・ヨモギなど | 夏の終わり〜秋 | 地域差がある |
「何月だからこの花粉」と一律に判断するのではなく、地域別の花粉情報と、自分の症状が始まった時期をあわせて考えることが重要です。
今飛んでいる花粉は地域と最新情報で確認する
「今、何の花粉が飛んでいるか」は、固定された年間カレンダーだけでは正確に判断できません。
飛散量や飛散の開始・終了時期は、地域、天候、その年の状況によって変化します。記事を読んでいる時点の最新情報を、公的機関や地域の花粉観測情報などで確認してください。
特に症状が急に強くなった場合は、例年の傾向だけではなく、実際の飛散状況もあわせて確認します。
6月でも花粉症は起こる?
6月の症状を考えるときは、春に多いスギやヒノキだけでなく、初夏に飛散する植物も確認する必要があります。
6月はイネ科など春以外の花粉も候補になる
地域によっては、6月はイネ科植物の花粉が飛散する時期に当たります。そのため、春が終わってから鼻水や目のかゆみが続いていても、花粉症の可能性がなくなったとは限りません。
一方、症状だけから「イネ科花粉が原因」と断定することもできません。毎年似た時期に症状が出る場合や、屋外で症状が強くなる場合は、地域の花粉情報を確認し、必要に応じて医療機関へ相談してください。
花粉を避けるためにできる対策
花粉症対策の基本は、原因となる花粉との接触をできるだけ減らすことです。薬を使用している場合でも、花粉への曝露を減らす対策はあわせて行えます。
外出前・外出中・帰宅後の基本対策
外出前には、その日の花粉情報を確認します。飛散が多い日は花粉が付着しにくい服装を選び、必要に応じてマスクや眼鏡を利用します。
帰宅後は、衣服や髪に付いた花粉をできるだけ室内へ持ち込まないようにします。洗顔や手洗いも、付着した花粉を落とすための基本的な対策です。
すべての花粉を完全に避けることは難しいため、無理に「完全遮断」を目指すのではなく、曝露量を減らす行動を続けることが現実的です。
鼻洗浄を取り入れるときの考え方
鼻洗浄を検討するときは、花粉症対策の中での位置づけと、安全に行うための条件を分けて確認します。
鼻洗浄は治療の代わりではなく補助策として考える
鼻洗浄は、アレルギー性鼻炎の症状を軽減する補助策として役立つ可能性があります。ただし、鼻洗浄だけで花粉症そのものが治るわけではありません。
一定の症状改善が示されている研究はあるものの、使用する洗浄液などの条件は研究ごとに異なります。そのため、「この方法なら誰にでも同じ効果がある」とは言えません。
症状が強い、日常生活への影響が大きい、鼻洗浄を行っても改善しないといった場合は、医療機関へ相談してください。
鼻洗浄には安全な水と清潔な器具を使う
鼻洗浄では、使用する水の安全性と器具の衛生管理が重要です。
海外の公的機関では、鼻洗浄には蒸留水や滅菌水、適切に煮沸して冷ました水などを使用するよう注意喚起しています。生の水道水をそのまま鼻腔内へ流す方法は避けましょう。
市販の鼻洗浄製品を使う場合は、説明書に記載された水や洗浄液の調製方法、器具の洗浄・乾燥方法に従ってください。
鼻洗浄について詳しく知りたい方は、こちらの記事を合わせてご覧ください。
鼻洗浄の効果と正しいやり方は?鼻洗浄器・生理食塩水の使い方や注意点を解説します。
花粉症の薬は症状と重症度に合わせて選ぶ
花粉症の薬は、「一番強い薬」を選べばよいわけではありません。症状の種類や重症度、日常生活への影響などを踏まえて選択します。
鼻水やくしゃみが中心なのか、鼻づまりが強いのか、目の症状もあるのかによって、使用される薬やその組み合わせは異なります。
花粉症に使われる主な薬
花粉症の治療では、第2世代抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬などが用いられます。症状や重症度によっては、複数の治療を組み合わせます。
市販薬で対応できる場合もありますが、薬の名前だけを見て自分に合うかどうかを判断することはできません。症状が強い場合や、市販薬を使っても十分に改善しない場合は、医師や薬剤師へ相談してください。
薬を選ぶときに確認したい副作用・持病
薬を選ぶ際は、症状への作用だけでなく、眠気などの副作用、現在使っているほかの薬、持病なども確認する必要があります。
特に運転や機械操作をする人は、添付文書や薬剤師からの説明を確認してください。妊娠・授乳中の人、子ども、高齢者、持病がある人などは、自己判断だけで薬を追加・変更せず、医師や薬剤師への相談が重要です。
舌下免疫療法という長期的な治療選択肢
花粉症の治療には、症状が出たときに抑える対症療法だけでなく、原因となるアレルゲンを少量ずつ体内に取り入れるアレルゲン免疫療法があります。
日本では、スギ花粉症などに対して舌下免疫療法が行われています。適応には条件があり、医師の管理のもとで長期間治療を続ける必要があります。
舌下免疫療法とは
舌下免疫療法は、原因となるアレルゲンを含む薬を舌の下で使用し、継続的に治療する方法です。
スギ花粉症に対する舌下免疫療法では、症状や対症薬の使用を減らす効果が報告されています。ただし、すべての人に同じ効果が得られるわけではなく、「必ず治る」「完治する」と言い切れる治療ではありません。
治療を希望する場合は、まず医療機関でスギ花粉症であることを確認する必要があります。
舌下免疫療法の対象・開始時期・治療期間
舌下免疫療法は、希望した時点で自己判断により始められる治療ではありません。
スギ花粉症に対する舌下免疫療法では、原因の確定診断が必要です。また開始時期にも条件があり、スギ花粉が飛散している時期を避けて開始することが基本とされています。
効果を確認しながら長期間継続する治療のため、開始前には通院の必要性や治療期間、毎日の服用を続けられるかも確認します。具体的な開始条件については、使用する医薬品の最新の添付文書と医師の指示に従ってください。
副作用と継続治療の注意点
舌下免疫療法では、口の中のかゆみや腫れなどが現れることがあります。また、まれであっても重いアレルギー反応には注意が必要です。
そのため、治療開始時や継続中の注意事項を理解し、医師から指示された方法で使用します。体調が悪い日の対応なども、あらかじめ医師に確認しておくことが大切です。
副作用が心配な場合や治療の継続が難しくなった場合は、自己判断で中止と再開を繰り返さず、処方した医師へ相談してください。
| 選択肢 | 主な目的 | 位置づけ・注意 |
| 花粉への曝露を減らす | 花粉との接触を減らす | 薬物療法中でも併用できる基本対策 |
| 鼻洗浄 | 鼻腔内を洗浄する | 補助策。安全な生理食塩水と器具管理が必要 |
| 薬物療法 | 鼻・目などの症状を抑える | 症状・重症度、副作用等を踏まえて選択 |
| 舌下免疫療法 | アレルゲン免疫療法として長期的に治療する | 適応・開始時期・継続条件を医師と確認 |
医療機関へ相談したい症状・状況
花粉症は身近な病気ですが、症状が強い場合や長引く場合には、自己判断だけで対策を続けないことが重要です。
原因を確認することで、花粉症以外の病気を見分けたり、自分の症状に合った治療を選んだりしやすくなります。
医療機関への相談を検討する目安
鼻や目の症状によって仕事・学業・睡眠に支障がある場合、市販薬を使っても十分に改善しない場合、症状が長引いている場合は、医療機関への相談を検討します。
また、咳が続く、息苦しい、喘鳴があるなど、鼻や目以外の呼吸症状が目立つときは、花粉症だけで説明できるとは限りません。
受診するときは、症状が始まった時期、悪化しやすい場所や時間帯、使った薬とその効果などを整理しておくと、状況を伝えやすくなります。
まとめ
花粉症への対応では、「花粉症なら同じ対策をすればよい」と考えるのではなく、どの時期に、どのような症状が出ているかを分けて考えることが大切です。
まずは花粉への曝露を減らし、症状に応じて薬などの治療を検討します。鼻洗浄を取り入れる場合は補助策として安全な方法で行い、長期的な治療を希望する場合は、舌下免疫療法の適応について医師へ相談します。
咳や呼吸症状が続く場合、症状が強く日常生活に影響している場合、治療を続けても改善しない場合は、花粉症だけと自己判断せず医療機関へ相談してください。
症状や治療法の選択に迷う場合は、症状が出る時期や使用中の薬を整理したうえで、医師または薬剤師へ相談してください。
参考出典
- アレルギーの手引き2025|日本アレルギー学会
- 花粉症環境保健マニュアル2022|環境省
- 環境省「環境から考える、花粉症との付き合い方」|環境省
- シダキュアを服用される患者さんへ|鳥居薬品株式会社
- Efficacy of hypertonic saline nasal irrigation in allergic rhinitis: A systematic review and meta-analysis/Singh N et al./Allergol Immunopathol (Madr). 2025 Sep 1;53(5):164-178.
- Is Rinsing Your Sinuses With Neti Pots Safe?|U.S. Food and Drug Administration
- How to Safely Rinse Sinuses|Centers for Disease Control and Prevention
- Efficacy of sublingual immunotherapy for cedar pollinosis: A systematic review and meta-analysis/Yang Y et al./Ann Allergy Asthma Immunol. 2016 Oct;117(4):348-353.
関連製品|EMSハナ通り

重力による自然圧で優しく鼻洗浄ができる鼻洗浄器です。握る力が弱い方やお子様でも簡単に鼻洗浄ができます。250ccと大容量で、本体を握る強さで水流を調節できるため、手術後に副鼻腔まで洗浄したい場合にも適しています。3つのパーツに分解して簡単にメンテナンスできます。食洗器対応です。
販売名:EMSハナ通り
区分:一般医療機器
届出番号:12B1X00003BREAT2
製品ページ:https://meilleur.co.jp/product/nasal-irrigator/
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。鼻・目の症状にお心当たりがある場合は、自己判断せず耳鼻咽喉科を受診してください。
