1. イベント概要
本イベントでは、病院や微生物に関するクイズなどをまじえながら、滅菌と洗浄の体験を行いました。
小学4~6年生を対象として、午前と午後の2部制で行いました。参加者は地元の八千代市はもちろん、千葉市や四街道市などの千葉県内や、神奈川県相模原市から早起きして来てくださったお子様もいらっしゃいました。
自由研究として書き込んで学校に提出できる「新聞」もご用意しており、実験に使用したインジケータを貼り付けたり、文章を書いたりして埋めると、自由研究の宿題が完成するようになっています。
ラベルシールには、左上の英数字を3桁入れられる場所に、滅菌担当者として子どもたちのお名前を入れてお配りしました。好きな色のPCDを選んでもらうと、ライトブルーが一番人気でした。
会場後方の展示スペースでは、鉗子類やピンセットなど、実際に病院で使われている器材を、SALWAY製品と一緒に展示し、子どもたちが自由に手にとって見られるようにしました。
医療ドラマが好きで、本物の器材を見るのを楽しみにしていたというお子様もいらっしゃいました。
2. イベントの様子
2-1. 病院や微生物に関するクイズ
まずは、病院の仕事や微生物について、クイズをまじえながら学んでいきます。
病院で使われる道具には繰り返し使われるものがあり、それを綺麗で安全な状態にしてくれる人がいること、その場所を中央材料室ということ。
一見汚れがなくきれいに見えても、そこには目に見えない菌がたくさん存在していること。もし再生処理がなかったら、病気やケガを治すための医療行為によって別の病気に罹ってしまう可能性があること、などなど。
座学の時間帯では、自主的にノートを取り出して講義を聞きながらメモを取っていく子どもたちの姿勢が印象的でした。
一緒に参加された保護者の方々も「うんうん」とうなずいたり、熱心に聞き入っていらっしゃる様子でした。中には、医療器材が再使用されること自体を知らなかったという方もいらっしゃいました。
2-2. 滅菌の体験
再生処理が、見える汚れを落とす「洗浄」と、見えない汚れを落とす(微生物を殺滅する)「滅菌」で成り立っていることを理解したら、次は滅菌を体験します。
子どもたちにそれぞれ好きな色を選んでもらったPCDにインジケータを入れて滅菌します。社内にあるオートクレーブのサイクル時間の都合上、洗浄の体験より先に行いました。
小さなインジケータを折りたたんで、それぞれのPCDに入れていきます。PCDには目印のためにお名前を印字したラベルシールを貼ってもらいました。
PCDの準備ができたら、滅菌器のある場所へ移動します。みんなのPCDを滅菌器に入れたら、ここでもちょっとクイズです。
「何を使って滅菌しているでしょう?」「滅菌の邪魔になるものは何?(ヒント:今ここにもあるよ)」などなど。
ここでは、最も滅菌が困難であるジオバチルス・ステアロサーモフィラスを死滅させるためには、134℃の蒸気を3分間暴露させる必要があることや、空気と水蒸気の熱を伝える力の違い、空気が残存していると滅菌できないため真空引きが大事、といったことを学びました。
2-3. 洗浄の体験
滅菌している間に、洗浄の体験を行いました。この体験は、SALWAY洗浄工程インジケータを用いて、洗浄方法を変えた場合にどのように洗浄結果が異なるかを体験します。
実験用の台紙に洗浄インジケータを貼り付けていきます。
貼り終わったら、実際の病院と同じように、フェイスシールドやエプロンといった防護具を着用して洗浄を行います。
まず、ぬるま湯の入ったボトルに洗浄インジケータを入れて振ってみます。次に、ウォッシャーディスインフェクターの再現として、そのボトルに洗剤を投入して振ります。最後に、用手洗浄として、洗剤をつけながらブラシを使って擦ります。
やはり自分で何かをやってみるのが楽しいようで、洗浄インジケータを入れたボトルを一生懸命振っている時が一番盛り上がっていました。
2-4. 滅菌後のインジケータを確認
洗浄の体験が終わるころ滅菌が終了するので、みんなで軍手をして滅菌器のところへ。滅菌器を開けたら、滅菌したての熱々のPCDを注意しながらひとりひとりに渡していきます。
銀色の熱い部分に触らないよう気をつけながら、PCDのキャップを開けてインジケータを取り出します。色が変色していることを確認し、それぞれの新聞に貼り付けました。
2-5. 新聞の作成
イベント最後の自由時間には、質問を受けながら、実験などを通じて学んだことを新聞にまとめていただきました。
座学の時間に出てきた図を自分で描く子、情報を自分で表にまとめる子など、みなさんそれぞれ工夫をされていました。
「ジオバチルスは病原菌ではないのに、なんで滅菌の確認に使うの?」という趣旨の質問を受けた時には、非常に驚きました。
一番滅菌がしづらい菌が死滅していれば他の菌の死滅も間接的に確認できることを伝えると、瞬時にワーストケースの概念を理解しており、お子様の学習能力の高さに感服しました。
将来、再生処理に関わる仕事をしてくれたらとても嬉しいですね。
3. 最後に
本イベントに参加して下さった皆さま、そしてイベントの周知にご協力下さった皆さま、本当にありがとうございました。
イベント後に行った参加者様のアンケートでは、「病院の裏で患者さんを支える仕事を知り、影で支えているのがかっこいいと感じた(原文ママ)」というとても嬉しいお声もいただきました。普段見る機会の無い手術器具や製品、洗浄滅菌の体験を通じて、たくさんの発見をしてくれたようです。
今後も再生処理の重要性を伝えるイベントを企画していきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。