1. 滅菌ガーゼとは
1-1. 滅菌ガーゼとは「滅菌」されたガーゼ
滅菌ガーゼとは、読んで字のごとく「滅菌」されたガーゼを指します。製品のパッケージに「滅菌済」と書いてあることが多いので、簡単に見分けることができます。
1-2. 未滅菌ガーゼとの違いは滅菌されているかどうか
「普通のガーゼと何が違うのか?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。滅菌ガーゼと一般的なガーゼ(未滅菌ガーゼ)の大きな違いは、そのガーゼが滅菌されているかどうかです。
1-3. 滅菌とは微生物が生存する確率を100万分の1以下にすること
滅菌とは、「菌を殺滅すること」です。滅菌できているかどうかの基準は、世界的に「微生物が生存する確率が100万分の1以下であること」と定義されています。
これを無菌性保証水準(SAL:sterility assurance level)と呼びます。市販されている滅菌ガーゼは、この無菌性保証水準を達成したことを確認されたガーゼということになります。
1-4. 滅菌ガーゼの滅菌方法はEOG滅菌や高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)
滅菌方法には様々な種類がありますが、市販されている滅菌ガーゼは「EOG滅菌」という滅菌方法が用いられていることがほとんどです。高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)で滅菌されているものも一部あります。
EOG滅菌とは、酸化エチレンガス(EOG)で微生物を殺滅する滅菌方法です。酸化エチレンガス(EOG)は、微生物を死滅させるのにきわめて有効であることが証明されています。「滅菌バッグ」と呼ばれる包装材にガーゼを入れ、EOG滅菌器にかけることでガーゼを滅菌します。
工業用の大型EOG滅菌器
そのガーゼがどのような滅菌方法で製造されたかは、パッケージや説明書などで確認する事ができます。滅菌方法は、以下のようにパッケージに記載されることが多いです。
滅菌方法 | 記載例 |
EOG滅菌 | EO、EOG、E.O.G |
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ) | AC、A.C |
なお、高圧蒸気滅菌は121℃以上の高温の蒸気で滅菌する滅菌方法です。高圧蒸気滅菌を行う器械を「オートクレーブ(autoclave)」と読ぶことから、「オートクレーブ滅菌」「AC滅菌」と呼ばれることもあります。
EOG滅菌や高圧蒸気滅菌について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
https://meilleur.co.jp/salway/journal/what-is-gas-sterilization/
1-5. 滅菌ガーゼは個包装されている
ガーゼが使用される直前まで、滅菌された清潔な状態を維持する必要があります。そのため、滅菌ガーゼは1枚1枚個包装されていることが普通です。1枚の袋にガーゼを複数枚入れてしまうと、袋を開けた瞬間に使わないガーゼは不潔(滅菌状態が破綻した)状態になってしまいます。
1-6. ガーゼの素材には綿糸と不織布がある
滅菌ガーゼの素材には、大きく分けて綿糸と不織布があります。市販されている使い捨ての滅菌ガーゼには、不織布が使用されるのが主流です。
綿糸は、純綿糸(コットン)を平織りにした布のことです。柔らかさ・通気性・吸収性・吸湿性に優れています。綿糸製の滅菌ガーゼは、天然素材ならではの肌触りの良さが特徴です。
綿糸(大衛株式会社)
不織布は、コットンなどの天然素材やポリエステルといった合成繊維など、異なる繊維を合わせて形成した布のことです。文字通り「織らない」のが特徴です。吸収性・保湿性に優れています。また、不織布の方が目が細かいため、綿糸と比較してウイルスを通しにくいと言われています。
不織布(大衛株式会社)
2. 滅菌ガーゼの使い方
2-1. 滅菌ガーゼは止血や傷口の保護に使用する
滅菌ガーゼは、出血の抑制、体液などの吸収、擦過傷の保護などのために、擦り傷や切り傷といった創傷部に使用されます。滅菌されたガーゼを使用する目的は、傷口から菌が体内へ侵入するのを防ぐためです。
2-2. 滅菌ガーゼは素手で触れないように貼る
汚れた手でガーゼに触れてしまうと、滅菌ガーゼはたちまち汚染されてしまいます。そのため、滅菌ガーゼを使用する前に手を清潔にし、ガーゼに触れないようにパックを開封します。そしてピンセット等を用いて素手で触れないようにガーゼを取り出し、創傷部に貼付します。
2-3. 滅菌ガーゼの使用期限は3年程度が多い
滅菌ガーゼの使用期限はメーカーによって異なりますが、EOG滅菌で製造された滅菌ガーゼは、使用期限が3年程度のものが多いです。
2-4. 期限切れのガーゼは使用しないほうがいい
使用期限が切れたガーゼの使用については、メーカーから推奨されていません。理由は、期限が過ぎたものはその滅菌効果を保証できなくなってしまうからです。滅菌ガーゼの良さは、無菌で清潔なガーゼであることです。期限切れのガーゼでは、滅菌された無菌の状態であることを保証することができません。
2-5. 滅菌ガーゼの再使用は禁止されている
一度使用したガーゼを再使用することについても、メーカーは推奨していません。使用済のガーゼは雑菌などで汚染されているためです。たとえ洗剤で洗ったとしても、滅菌処理をしない限り、そのガーゼには目に見えないたくさんの雑菌が付着しています。
3. 滅菌ガーゼの選び方
3-1. ①大きさで選ぶ:5×5cmの小さいサイズから30×30cmの大判サイズまである
傷口や創傷部の大きさに合ったガーゼを選びます。5×5cm、7.5×7.5cm、7.5×10cm、10×10cm等のサイズ展開が一般的です。中には、用途に合わせてカットできる30×30cm程の大判ガーゼもあります。
3-2. ②特定の用途で選ぶ:気管カニューレ挿入部などの保護用にY字にカットされたものもある
気管カニューレや胃ろうカテーテル等の挿入部の保護に使用しやすいように、あらかじめガーゼがY字にカットされた製品もあります。ガーゼを自分でカットしようとすると、はさみなどに付着した菌がガーゼに付いてしまう可能性があります。清潔を保ったままガーゼをカットする手間が省けるので、便利です。
3-3. ③内容量で選ぶ:たくさん使用するのであれば大容量がお得
同じ製品を高頻度で使用する予定があるのであれば、50枚入りなど大容量の徳用がおすすめです。ガーゼ1枚当たりの価格を抑えることができます。
4. 滅菌ガーゼの購入方法
4-1. マツキヨなどのドラッグストアで販売している
マツモトキヨシなどのドラッグストアや薬局で販売しています。ドラッグストアによっては、プライベートブランドの滅菌ガーゼを販売しているお店もあります。
4-2. オンラインでも購入が可能
滅菌ガーゼは、以下のようなサイトでオンラインでも購入することができます。
・Amazon
・楽天
・YAHOO!ショッピング
5. おすすめの滅菌ガーゼ30選
各オンラインサイト(Amazon、楽天、YAHOO!ショッピング)のおすすめ滅菌ガーゼ30選を、滅菌ガーゼの選び方を軸に分類してみました。普段お使いの購入サイトの列から、お探しのサイズや用途のガーゼを探してみて下さい。